積土
せきど
名詞
標準
文例 · 用例
然し染退川が年々五十町歩も百町歩も、渠等の集積土質の良田を缺壤して行く爲め、その度毎に村人の戸數が減じて行くのは殘念なことだ。
— 岩野泡鳴 『日高十勝の記憶』 青空文庫
平野にいぢけくねつた槲の木、海濱に赤い實を結んだ濱なす、どこまでも一直線に氣持ちいい道路、木材流送の爲めに毎年汎濫して沖積土の堤防をずぶ/\解き崩す鵡川などが義雄の心に最も深い印象を與へた。
— 斷橋 『泡鳴五部作』 青空文庫
そして、染退川が年々五十町も百町歩も渠等の沖積土質の田を缺壞して行く爲め、その度毎に村人の戸數が減じて行くことを説明された時は、自分の身がその沖積土の如く喰ひへらされて行く思ひがした。
— 斷橋 『泡鳴五部作』 青空文庫
その岐れ目の薄馬鹿の額のように間ののびた面積が、手際よく楕円形に積土されて、プラタナスの木株が植え込まれ、その上に四五脚の広告ベンチさえ曝されていて、この不体裁な大通りの致命的な欠陥を、その工夫が危く救いあげていた。
— 里村欣三 『放浪の宿』 青空文庫
実にかのウェストミンスターの幽欝なる積土の中に沈黙したる一個の死人はかえって議院壁内に起ちて扼腕撃節多々ますます弁ずるの衆多の生人よりも氏が進路を防障するものといわざるべからず。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
この変動は最も単純に明らかに沖積土の下層土水のレベル変化によって示され、著しく高いレベルから下降する時期は著しく危険である。
— 伝記による医学史 『偉大な医師たち』 青空文庫
三国の湊の少し上流であって、また川の積土の上に開かれた新地の村である。
— 柳田國男 『地名の研究』 青空文庫