歳徳
としとく
名詞
標準
文例 · 用例
地方によつては、歳の夜から正月へかけて、戻つて来る聖霊の一群のあることを信じてゐて、其と歳棚へ来る歳徳神との間に区別を立てゝも居ない。
— 祭りの発生 その一 『ほうとする話』 青空文庫
常世神の来訪を忘れて了ふ様になると、春来る御霊は歳神・歳徳様など言ふ、日本陰陽道特有の廻り神になつて了うた。
— 折口信夫 『若水の話』 青空文庫
歳暮に来て、初春の年棚の客となる歳神――歳徳神とも言ふ――の姿も、高砂の尉と姥の様な、と形容する地方が多いやうです。
— 折口信夫 『翁の発生』 青空文庫
此は歳徳神と陰陽道風に言ひ表されてゐる年神なのである。
— まれびとの意義 『國文學の發生(第三稿)』 青空文庫
三河設楽郡辺では、正月の歳徳神を迎へる為に、年棚の下に置く相である(早川孝太郎氏の話)。
— 折口信夫 『まれびとの歴史』 青空文庫
一体|歳徳神とも年神とも言はれる正月の神は、今も迎へ祭る地方が多い。
— 折口信夫 『まれびとの歴史』 青空文庫
これが後には、鬼・天狗と考へられる様になつたのですが、正月に迎へる歳神様(歳徳神)も、それから変つてゐるので、更に古くは、祖先神が来ると信じたのです。
— 折口信夫 『門松のはなし』 青空文庫
従来の暦書には方位の吉凶を掲げ、人多くこれに照らして判断することなるが、その第一は歳徳と申すものじゃ。
— 井上円了 『迷信解』 青空文庫