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美文調

びぶんちょう
名詞
1
標準
an ornate style
文例 · 用例
弘前城が控へてゐる限り、大鰐温泉は都会の残瀝をすすり悪酔するなどの事はあるまい、とついさつき、ばかに調子づいて書いた筈だが、いろいろ考へて、考へつめて行くと、それもただ、作者の美文調のだらしない感傷にすぎないやうな気がして来て、何もかも、たよりにならず、心細くなるばかりである。
太宰治 津軽 青空文庫
……つまらないことに興味を持つたり、愚かな心の戯れを美文調子に歌つたり、翻つて思へばどれもこれも鼻持のならない文句ばかりで――そして、この頃の何とかの苦しみとかも……皆な軽蔑に価する程の無用のことのやうに思つて、彼は、がつかりとしたのである。
牧野信一 「或る日の運動」の続き 青空文庫
その旗頭としての日本ロマン派の人々の文章の特徴は、全く美文調、詠歎調であって、今日では保守な傾きの国文研究者でさえ一応はそれを行っている文学作品の背景としての歴史的の時代考察、文学の環境の分析等は除外されていることに注目をひかれる。
宮本百合子 今日の文学の展望 青空文庫
文字も麗わしく、美文調でもあるが、底に、妖しいとも言える一徹なものを湛えている。
豊島与志雄 一つの愛情 青空文庫
それは、空疎な怒号であり、安価な興奮の擬態、代読させられてゐるのではないかと思はれるやうな月並な美文調なのです。
岸田國士 文芸と国語 青空文庫
当時の野球記事は美文調で、ひどく勇ましい文章が多かった。
外村繁 澪標 青空文庫
二等機関士と称する若い客の、いつもの美文調の口説である。
岸田國士 火の扉 青空文庫
近松秋江が或る夏この木曽福島に何日か滞在した時の思出話に、大変涼しい、(それを秋江一流の美文調で聞かされた、)窓を開けると木曽の御岳山が月明の中に聳えているのが見える、――これは何と間違った話であろう。
書斎山岳文断片 それからそれ 青空文庫
作例 · 標準
彼のスピーチは、内容よりも美文調の表現に凝りすぎていた。
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古風な美文調で書かれたその手紙は、かえって読みにくかった。
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現代の文章では、美文調よりも簡潔明瞭な表現が好まれる傾向にある。
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