狡獪
こうかい
名詞
標準
文例 · 用例
偏に定役の多寡を以て賞罰の目安となせし風なれば、囚徒は何日まで入獄せしとて改化|遷善の道に赴かんこと思いもよらず、悪しき者は益※悪に陥りて、専心取締りの甘心を迎え、漸く狡獪陰険の風を助長するのみ。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
「狡獪極まる悪魔め!
— コナン・ドイル 『空家の冒険』 青空文庫
やがて圧倒的な、そして相当|狡獪な彼の激情に動かされて、とにかく葉子は帰ることに決めた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
」 それならこの為体は一体どうしたのかとでも言いたそうに、黒須は煙草をふかしながら、二人を見比べていたが、庸三という老年の文学者が、蔭で葉子を操っている、何か狡獪な敗徳漢のように思われてならなかった。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
葉子の目に、そこに憎みきれない狡獪い老人が、いくらか照れかくしに咽喉を撫ぜ撫ぜ坐っていた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
それでも狡獪な雀の爲に籾のまだ堅まらないで甘い液汁の如き状態をなして居る内から小さな嘴で噛んで夥かに籾殼が滾された。
— 長塚節 『土』 青空文庫
お佐代さんが茶を酌んで出しておいて、勝手へ下がったのを見て狡獪なような、滑稽なような顔をして、孫右衛門が仲平に尋ねた。
— 森鴎外 『安井夫人』 青空文庫
玄機にはそれが甚しく狡獪なように感ぜられた。
— 森鴎外 『魚玄機』 青空文庫