揚船
ようせん
名詞動詞-サ変
標準
lifting a boat out of the water
文例 · 用例
同じ引揚船で苦樂をともにして戻つて來た仲間のうちに、滿鐵の社員で、年配も隆吉と同じ年頃の河邊亮太郎と云ふ男がゐた。
— 林芙美子 『崩浪亭主人』 青空文庫
それから、あの人相書を廻して、もと居た療養所とか、引揚船の同僚とかを探しだしてもらいたいね。
— 坂口安吾 『復員殺人事件』 青空文庫
ホテルなどでは、たぶん長らく外国にいて、この四月の欧州最後の引揚船で帰ってきたひとなのだろうというところへ意見が落ちつきかけたが、それにしてはあの大正式のスタイルとみょうな着ざまはどうしたものだと一人がいいだしたので、この推測もあやしくなってきた。
— 久生十蘭 『ハムレット』 青空文庫
引揚船で上海からお帰りなったことは聞いていましたが、かけちがってお目にもかかれず」なんて、おなじようなことをいってとめどもなくお辞儀のしあいをしているんですから、阿呆らしいやらバカらしいやら、どっちもどっちだと思って、見ているあたしのほうが悲しくなっちゃったわ。
— 久生十蘭 『猪鹿蝶』 青空文庫
欧洲引揚船の荷物検査はいつも無事にすんだためしがないが、こんどもまた子供の靴下からぞろりと宝石があらわれて五日も観音崎の沖でとめられ、ようやく上陸許可になったと思うと検疫中にチブス患者が出たり、なにかひどくごたごたした。
— 久生十蘭 『ユモレスク』 青空文庫
引揚船に見捨てられ、サビーン岬の近くに天幕を張って冬越しをはじめたが、寒気と饑餓でつぎつぎに倒れ、四年目の春になって救援隊が到着したときには、二十三人のうち、グリーリーと六人の隊員だけが生残り、埋葬もしていない仲間の屍の間で、人間の影にすぎない幽霊のような悽惨な姿で、やっと呼吸をしていた。
— 久生十蘭 『南極記』 青空文庫
欧州引揚船の荷物検査は無事にすんだためしがないが、こんどもまた、子供の靴下から、ぞろりと宝石があらわれて、五日も観音崎の沖でとめられ、ようやく上陸許可になったと思うと、検疫中にチフス患者が出たり、なにか、ひどくごたごたした。
— 久生十蘭 『野萩』 青空文庫
引揚船が海防に寄ったとき、司令部にいる友達と約束ができていたような話だったわ」 安は天井を見あげるような恰好で、だまって聞いていたが、「若旦那は、もう日本へは帰って来ないつもりなんだね」 といいながら、顔をうつむけたひょうしに、キラリと光るものがひとつ膝のうえに落ちた。
— 久生十蘭 『野萩』 青空文庫
作例 · 標準
台風が来る前に、全ての漁船の揚船作業を終えた。
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このクレーンは、大型船の揚船も可能だ。
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冬の間は、船を揚船して陸上で保管する。
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