撫斬
撫斬
名詞
標準
文例 · 用例
又たとへ将門の方から手出しをしたにせよ、恋の叶はぬ忌※しさから、其女の家をはじめ、其姉妹の夫たちの家まで、撫斬りにしようといふのも何となく奇異に過ぎ酷毒に過ぎる。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
子供が竹刀を揮つて曼珠沙華をばさり/\と撫斬りしてゐる、私にもさういふ追憶がある、振舞はちと残酷だけれど、彼等の心持にはほゝゑましいものがある。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
この分で、鍵屋の辻へ行こうものなら瞬く間に、おのおの方が撫斬りになる」「これは先生のお言葉とも覚えん、さほどに我々を見縊り給うか」「とにかく引上げ給え、こちらの出様が悪い、かけ合いが礼儀でない」 小兵にして精悍な、左の眼のつぶれた浪士と、他の浪士どもとの問答はこんなふうであります。
— 三輪の神杉の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
昨日もこの町の穀屋のイヤなおばさんという人の噂が出ましてね、わたしはいやになっちまいましたね、後家さんになってから、家に置いた若いのをみんな撫斬りですってね。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
つまり、どの幕もどの幕も、海土蔵が一人|儲けをやるように出来ているので、有象無象をいいかげん増長させておいて、ここぞというところで撫斬りにしてしまうのだから、見物は無性に喜ぶ。
— 流転の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
岩見重太郎は当るを幸いに撫斬りをする。
— 流転の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
この分では総勢撫斬りであろう、余興とは言いながら、毛唐風情のために、浦方すべてが総嘗めとは――残念である、業腹である。
— Ocean の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
ナポレオン以後仏国三代の帝王を撫斬にした女優がゐる。
— 岸田國士 『女優と劇作家』 青空文庫