漁り歩く
あさりあるく
動詞
標準
文例 · 用例
唇から唇へと漁り歩く浅ましい姿は、さすがにそんな事には馴れ切っている筈の芝居者も、眼を聳てたり、後ろ指を差したりする有様だったのです。
— 野村胡堂 『百唇の譜』 青空文庫
つぎつぎにオーブレイの驚いたことには、ブラッセルやそのほか行く先き先きの町へ着くと、先づ第一にルスヴン卿がその土地で目下流行してゐる道楽といふ道楽を悉く鵜の目鷹の目になつて漁り歩くことであつた。
— ジョン・ポリドリ 『吸血鬼』 青空文庫
間もなく彼はその辺にあまたある記念碑の――打見たところは公民たるものの所行の記録を奴隷どもの前に示すのを恥づるかの如くにも土の下や色さまざまな苔や下草などの内等にかくれてゐるあまたの記念碑の面に、ありし日の栄誉の名残色褪せゆく記録を漁り歩くことに専念しはじめた。
— ジョン・ポリドリ 『吸血鬼』 青空文庫
黒犬は、そこらに落ちている喰い物を、漁り歩くのに忙しない。
— 二天の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
春、秋にかけて、稿労のいとまあるごとに九州、北陸その他に、平家史料を漁り歩く。
— 吉川英治 『年譜』 青空文庫
残雪がまだ消えやらず化粧柳の若芽が真紅に萌え立つ頃には宿の庭先に兎が子供を連れて遊びに来たり、山鳥が餌をあさり歩くことも珍らしくないさうである。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
残雪がまだ消えやらず化粧柳の若芽が真紅に萌え立つ頃には宿の庭先に兎が子供を連れて遊びに来たり、山鳥が餌をあさり歩くことも珍しくないそうである。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
ベナレスの聖地で難行苦行を生涯の唯一の仕事としている信徒を、映画館から映画館、歌舞伎から百貨店と、享楽のみをあさり歩く現代文明国の士女と対照してみるのもおもしろいことである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(3)』 青空文庫