御出座
おでまし
名詞
標準
文例 · 用例
それより一同種々申して渠を御前にわびたりければ、幼君ふたゝび御出座ありて、籠中の人に向はせられ、「其方さほどまでに苦しきか」とあれば、「いかにも堪難く候、飼鳥をお勸め申せしは私一世の過失、御宥免ありたし」と只管にわび奉りぬ。
— 泉鏡太郎 『十萬石』 青空文庫
大臣が新夫婦の居間のほうへ行って、もう夜がふけてしまったからと女房に言い、宮の御出座を促すのであったが、宮は六の君からお離れになりがたいふうで渋っておいでになった。
— 宿り木 『源氏物語』 青空文庫
道柏は重ねて「もう右衞門佐殿が御出座にならう、少し下がらぬか」と云つた。
— 森鴎外 『栗山大膳』 青空文庫
文治は今日お呼出しになりまして、奉行石川土佐守御自身の御吟味、やがてシッ/\という警蹕の声が聞えますと、正面に石川土佐守|肩衣を着けて御出座、その後にお刀を捧げて居りますのはお小姓でございます。
— 三遊亭圓朝 『後の業平文治』 青空文庫
「やあ関守どのの御出座だな」 一人がそう云うと、みんないっせいに晋太郎のほうへ向き直って呼びかけた。
— 山本周五郎 『菊屋敷』 青空文庫
坊主どもは、おどろいて、ヒソヒソ談合していると、やがて日も暮れ頃に、御用人が出て来て、越前守様には、腹痛のため、ついに今日は、御出座がなり難い。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
三法師君の御出座を求めたのは御辺とはちがうか。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫
三法師君の御出座を仰いだには、理由がないではありませぬが、なるほど、まだお無邪気なお年、長評議に、ああしておられては、御窮屈にちがいない。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫