幻辞.com

推賞

すいしょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
彼は芭蕉の俳句中でひらひらと上る扇や雲の峯 を第一等の名作として推賞してゐたが、上例の如き自作の句を観照すると、芥川氏の芭蕉観がどのやうなものであつたかが、およそ想像がつくであらう。
俳人としての芥川龍之介と室生犀星 小説家の俳句 青空文庫
彼が『古今集』や『新古今集』の歌を排し、ひとえに万葉集ばかりを推賞したのも、つまり古今や新古今やの歌風が生命している音楽第一主義について、子規が理解の耳を持たなかったためなのである。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
「河童」が雜誌に載つた時、僕の推賞に對して、芥川君は「君に讀んでもらひたかつたのだよ」と言つた。
萩原朔太郎 芥川君との交際について 青空文庫
そんな次第であるから、今私は「私の推賞する詩人」といふ課題を貰つたのだが、今誰をといつて格別推賞したくはない。
中原中也 詩壇への願ひ 青空文庫
推賞する方の投票だと「運動」が横行して結果は無意味に終るにきまっているが、排斥する方の投票だと、その結果は存外多少の参考になるかもしれない。
寺田寅彦 異質触媒作用 青空文庫
「白浪のうつ脈取坊」には犯罪被疑者がその性情によって色々とその感情表示に差違のあることを述べ「拷問」の不合理を諷諫し、実験心理的な脈搏の検査を推賞しているなども、その精神においては科学的といわれなくはないであろう。
寺田寅彦 西鶴と科学 青空文庫
ショーペンハウアーとニーチェは文学者として推賞するのだそうである。
寺田寅彦 アインシュタイン 青空文庫
いわば「灰色の月」という小品を素材にして、小説が作られて行くべきで、日本の伝統的小説の約束は、この小説に於ける少年工の描写を過不足なき描写として推賞するが、過不足なき描写とは一体いかなるものであるか。
織田作之助 可能性の文学 青空文庫