自食
じしょく
名詞
標準
文例 · 用例
義雄は自分の「デカダン論」で説いた最も悲痛切實な自食的戀愛觀が、時代を云へば逆だが、既に讀まれてゐたかの樣に感じた。
— 憑き物 『泡鳴五部作』 青空文庫
戰爭や戀愛の塲合には、まだ非我なる物を見とめる餘裕があつたが、文藝は全く一刹那一存在の自食的表象である,云ひ換へれば、天才が自分の天才を食ふ活動であるので――大天才の産物には、刹那的流轉を悲しむ大宇宙が現じないでは居られないのだ。
— 岩野泡鳴 『神秘的半獸主義』 青空文庫
音樂と詩歌とに論なく、こゝに眞の夢幻と陶醉とがあらはれるので――之はシルレルなどがいふ遊戯でもなければ、シヨーペンハウエルの所謂意志の臨時的絶滅でもない,悲痛自食の表象その物を見るので――悲劇には解脱とか、解决とかがない程、その實相に近いのである。
— 岩野泡鳴 『神秘的半獸主義』 青空文庫
自食の論もまたかくのごとし。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
ただ自食の説を唱えて、その酔夢を驚かすのほか手段なかるべし。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
すなわちこれわが輩がもっぱら自食の説を主張して、いまだ真の学問を勧めざりし所以なり。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫