髪結
かみゆい
名詞
標準
文例 · 用例
あの、わがまま娘が、とうとう男狂いをはじめた、と髪結さんのところから噂が立ちはじめたのは、ことしの葉桜のころで、なでしこの花や、あやめの花が縁日の夜店に出はじめて、けれども、あのころは、ほんとうに楽しゅうございました。
— 太宰治 『燈籠』 青空文庫
「髪結床」から来たかと思われる。
— 寺田寅彦 『言葉の不思議』 青空文庫
…… 義理から別離話になると、お蔦は、しかし二度|芸者をする気は無いから、幸いめ組の惣助の女房は、島田が名人の女髪結。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
柳橋は廻り場で、自分も結って貰って懇意だし、め組とはまたああいう中で、打明話が出来るから、いっそその弟子になって髪結で身を立てる。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
「誰方、」「あの……髪結さんの内はこっちでしょうか。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
上原とあった門札こそ、世を忍ぶ仮の名でも何でもない、すなわちこれめ組の住居、実は女髪結お増の家と云ってしかるべきであろう。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
どこを見てもがらんとして、間狭な内には結句さっぱりして可さそうなが、お妙は目を外らす壁張りの絵も無いので、しきりに袂を爪繰って、「可いのよ、小母さん、髪結さんの許だから、極りが悪いからそう云って来たけれど、髪なんぞ結わなくったって構わなくってよ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
続いてすすり泣く声が聞えたが、その真先だったのは、お蔦のこれを結った、髪結のお増であった。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫