謹厚
きんこう
名詞
標準
文例 · 用例
因に云ふ、当時富豪にして榛軒に治を請うたものには、鈴木十兵衛、三河屋権右衛門等があつたが、皆謹厚な人物で、細木の如く驕奢ではなかつた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
性謹厚にして、人の嬉笑するを見ては顰蹙して避けた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
この后の曾祖父陳嬰は無類に謹厚な長者で秦の世乱れた時推して王とされたが、その母我汝が家に嫁し来ってより、いまだかつて汝が先祖に貴き者ありと聞かず、今大名を得ば不祥だ。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
ましてや太子のその後の予言に、大兇変ジテ一元ニ帰スと、こう記してあるではないか) 快然とした正成の謹厚の顔には、初秋の明るい陽の光が、障子越しにほのかに射していて、穏やかな陰影をつけていた。
— 国枝史郎 『赤坂城の謀略』 青空文庫
「下車拉巨猾」あたり、謹厚なうちにも流石に先生の鋭鋒を現してゐる。
— 中村憲吉 『頼杏坪先生』 青空文庫
「愿」は謹厚を意味する。
— 下村湖人 『現代訳論語』 青空文庫
篤実謹厚と見えたが、その裏には、邪智佞才もあった。
— 吉川英治 『梅里先生行状記』 青空文庫