途々
途々
名詞
標準
文例 · 用例
行く途々に牛の糞の乾いたやつがあるたびに、それを拾つて口に入れようとするのには閉口したと、よく祖母は話してゐた。
— ――世の母びと達に捧ぐ―― 『一つの境涯』 青空文庫
茨木君は途々腰に挟んだ矢立から毛筆を取り出して、スケッチ画帖に水墨の写生をされた。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
私はスルメをあきらめてお家に帰る途々、できるだけ、どっさり周囲の美しい雪景色を眺めて、眼玉の底だけでなく、胸の底にまで、純白の美しい景色を宿した気持でお家へ帰り着くなり、「お嫂さん、あたしの眼を見てよ、あたしの眼の底には、とっても美しい景色が一ぱい写っているのよ。
— 太宰治 『雪の夜の話』 青空文庫
手下たちは、しめた、あの工合いではもう大丈夫、と帰る途々首肯き合い、主人にその様子を言上すれば、山賊の統領はにやりと凄く笑い、案外もろく候、と言った。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
帰る途々、つまらない思いであった。
— 太宰治 『誰』 青空文庫
途々、身なりを整えてお家へ戻り、静かにお部屋の障子をあけたら、母は、何かあったのかい?
— 太宰治 『誰も知らぬ』 青空文庫
お帰りの途々、どんなに、いやなお気持だろう。
— 太宰治 『十二月八日』 青空文庫
菊子さん、あまりの恥ずかしさに、私は毛布の包みを抱いて帰る途々、泣いたわよ。
— 太宰治 『恥』 青空文庫