神垣
かみがき
名詞
標準
文例 · 用例
――箱根を越えて伊豆の海、三島の里の神垣や――さあ、忘れた所は教えてやろう。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
神垣はしるしの杉もなきものをいかにまがへて折れる榊ぞ 御息所はこう答えたのである。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
神垣や、このあした、石走る水の音のうちひびき、氷柱みな新なり、日の光に。
— 北原白秋 『新頌』 青空文庫
わたしの記憶しているところでは、この時代において局外文士の脚本が上演されたものは、依田学海居士の「文覚勧進帳」と、川尻宝岑の「梅田神垣」など二、三種に過ぎないように思われる。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
(四月二日)『明星』所載落合氏の歌まどへりとみづから知りて神垣にのろひの釘をすてゝかへりぬ この種の歌いはゆる新派の作に多し。
— 正岡子規 『墨汁一滴』 青空文庫
ヒロンあなたがいつも神垣の中にじっとしていると同じ事で、わたしは駆け歩くのが面白いのです。
— FAUST. EINE TRAGODIE 『ファウスト』 青空文庫
君をいのるみちにいそげば神垣にはや時つげて鷄も鳴くなり 津守國貴 津守國貴は攝津住吉社の神主で、津守|國夏の子である。
— 齋藤茂吉 『愛國百人一首評釋』 青空文庫
天皇の御安靖を神社に祈願しようとして、夜をこめて山道を急ぎ行くと、神社の神垣にはもう曉を告げる鷄のこゑが聞えだした、といふ意味で神社にゐる鷄たちも同じ心に共鳴するといふ意も含まつてゐるだらう。
— 齋藤茂吉 『愛國百人一首評釋』 青空文庫