遊蕩児
ゆうとうじ
名詞
標準
debauched person
文例 · 用例
ただ科学の野辺に漂浪して名もない一輪の花を摘んではそのつつましい花冠の中に秘められた喜びを味わうために生涯を徒費しても惜しいと思わないような「遊蕩児」のために、この取止めもない想い出話が一つの道しるべともなれば仕合せである。
— 寺田寅彦 『科学に志す人へ』 青空文庫
そこに俳諧の余技があり、気質本二篇を書いては居るが、これは古今を通じて多くの遊蕩児中には、ままある文学|癖の遺物としてのこつたに過ぎない。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
病院を逃れ来し患者の恐怖、赤子らの眼のなやみ、笑ふ黒奴酔ひ痴れし遊蕩児の縦覧のとりとめもなく。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
それを知りながら、何故また僕は――と、おもふのであるが、どうすることも出来ない、僕は遊蕩児だつた。
— 牧野信一 『春』 青空文庫
水夫たちも、火夫たちもデッキへ出て、悲惨な遊蕩児たちをながめた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
浅原がわたしのことを鬼のやうな顔をして、やつつけてゐたとか、露骨な遊蕩児になつたとかと聞いても、何だかわたしは明らかに身に応えず、彼の内面的のことは左ういふことを云ふ人には解つてゐないのだといふ気がしてゐるだけだつた。
— 牧野信一 『浅原六朗抄』 青空文庫
トシは物腰動作も、不しつけさうに振舞つても可成りに都会流に洗練されてゐて、私としても別段に厭な感じもなく、またそんな遊蕩児に誘惑されただけに、容貌も姿もフレツシユで、何か物を云ふ毎に、何か自分の云ふことをいちいち信じ難いとでもいふ風に、軽く首をかしげて微笑を浮べるところなどは多分の愛嬌に富んでゐた。
— 牧野信一 『二日間のこと』 青空文庫
女に捉へられゝば遊蕩児になつてその自由を失ふ。
— 田山録弥 『生滅の心理』 青空文庫
作例 · 標準
彼は、幼い頃から父親の事業に興味を示さず、遊蕩児として育った。
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その裕福な家庭の息子は、親の目を盗んで夜遊びをする遊蕩児だった。
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かつては遊蕩児と蔑まれていた彼が、今では立派な社会人として活躍している。
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