瞻右
瞻右
名詞
標準
文例 · 用例
幼君これを御覽じて、嬉しげに見えたまへば、彼勸めたる何某面目を施して、件の籠を左瞻右瞻、「よくこそしたれ」と賞美して、御喜悦を申上ぐる。
— 泉鏡太郎 『十萬石』 青空文庫
成程間とは御懇意かな」「君はどうして此方を識つてゐるのだ」 左瞻右視して貫一は呆るるのみなり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
しかも彼は輙くその下げたる頭とと窺ひたりしが、「何ぞ御用でございますか」「…………」 彼は益す急に左瞻右視して窺ひつ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
暫し浴後を涼みゐる貫一の側に、お静は習々と団扇の風を送りゐたりしが、縁柱に靠れて、物をも言はず労れたる彼の気色を左瞻右視て、「貴方、大変にお顔色がお悪いぢや御座いませんか」 貫一はこの言に力をも得たらんやうに、萎え頽れたる身を始て揺りつ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫