輙
輙
名詞
標準
文例 · 用例
未だ數分ならざるに、群獺忽ち競逐うて、勢死を避けず、執得て輙獻ず。
— 泉鏡花 『聞きたるまゝ』 青空文庫
燕王手を拍って笑って、李九江は膏梁の豎子のみ、未だ嘗て兵に習い陣を見ず、輙ち予うるに五十万の衆を以てす、是自ら之を坑にする也、と云えるもの、酷語といえども当らずんばあらず。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
慨然として席を立ち、剣を按じて右に趨きて曰く、諸君|乞うらくは勉めよ、昔|漢高は十たび戦って九たび敗れぬれど終に天下を有したり、今事を挙げてより連に勝を得たるに、小挫して輙ち帰らば、更に能く北面して人に事えんや。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
帝、孝孺の一族を収め、一人を収むる毎に輙ち孝孺に示す。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
羅馬と巴里とより、月桂冠を贈らんとせしとき、ペトラルカは敢て輙ち受けずして、三日の考試に應じき。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
われ未だ輙ちこれを斥けむとせざるべし。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
此等源十以下の人々は皆|輙く考ふることが出来ない。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
これは茶山の輙ち信ずることを欲せざる凶報であつた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫