用達
ようたし
名詞
標準
文例 · 用例
生徒は用達が困難になり、それに見た所それは実に滑稽な便所となつた。
— 中原中也 『校長』 青空文庫
後に話合うと、階下へ用達しになど、座を起って通る時、その窓の前へ行くと、希代にヒヤリとして風が冷い。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
」「その御縁で、ついこの間、糸七さんと、もう一人おつれになって、神保町辺へ用達においでなさいましたお帰りがけ、ご散歩かたがた、「どうだい、新店は立行くかい。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
勇士は轡の音に目を覚ますとか、美人が衾の音に起きませぬよう、そッと抜出して用達しをしてまいり、往復何事もなかったのでありまするが、廊下の一方、今小宮山が行った反対の隅の方で、柱が三つばかり見えて、それに一つ一つ掛けてあります薄暗い洋燈の間を縫って、ひらひらと目に遮った、不思議な影がありました。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
自転車に乗って三鷹の駅前の酒屋へ用達しに来て、酒屋のおかみさんに叱られてまごついている事もある。
— 太宰治 『男女川と羽左衛門』 青空文庫
ときどきには同役や御用達町人なども連れて来る。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
それを発見したのは、北隣りの大工の女房のお初で、亭主は仕事からまだ帰って来なかったが、いつもの慣習で彼女は格子に錠をおろして近所まで用達に行った。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫
なに、おれ一人で大丈夫だ」 熊蔵に別れて、半七はそれから他へ用達に行った。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫