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前後左右

ぜんごさゆう
名詞
1
標準
in all directions
文例 · 用例
」 前後左右どちらを見ても、ただ杳々茫々、脚下を覗いてもやはり際限なく薄みどり色のほの明るさが續いてゐるばかりで、上を仰いでも、これまた蒼穹に非ざる洸洋たる大洞、ふたりの話聲の他には、物音一つ無く、春風に似て春風よりも少しねばつこいやうな風が浦島の耳朶をくすぐつてゐるだけである。
太宰治 お伽草紙 青空文庫
昔の日本人は前後左右に気を配る以外にはわずかに鳶に油揚を攫われない用心だけしていればよかったが、昭和七年の東京市民は米露の爆撃機に襲われたときに如何なる処置をとるべきかを真剣に講究しなければならないことになってしまった。
寺田寅彦 烏瓜の花と蛾 青空文庫
そこで私はすべての印象を反対に、磁石のあべこべの地位で眺め、上下四方前後左右の逆転した、第四次元の別の宇宙(景色の裏側)を見たのであった。
散文詩風な小説 猫町 青空文庫
山崎の右の手は、前後左右に眼をやったかと思うと、大褂児のポケットに行った。
黒島傳治 武装せる市街 青空文庫
ただひとえにゆう日照りそいたるつつじの花の、わが丈よりも高き処、前後左右を咲埋めたるあかき色のあかきがなかに、緑と、紅と、紫と、青白の光を羽色に帯びたる毒虫のキラキラと飛びたるさまの広き景色のみぞ、画のごとく小さき胸にえがかれける。
泉鏡花 龍潭譚 青空文庫
理窟を考えよう考えようとしたが、自分の両足の下の藍色の絨緞と、その上に散乱した料理や皿の平面が、前後左右にユラリユラリと傾きまわるばっかりで、どうしても考えを纏めることが出来なかった。
夢野久作 けむりを吐かぬ煙突 青空文庫
翼のように、舌のように、逆に梳る女頭のように、火は焔になり、焔は幾条の筋をよって濛々とした黒煙に交り、森から前後左右に吐き出された。
岡本かの子 青空文庫
前後左右は、どのくらいあるか分らず、凄くて※すことさえならぬ、蚊帳に寂しき寝乱れ姿。
泉鏡花 悪獣篇 青空文庫
作例 · 標準
登山道が霧に包まれ、前後左右の視界が全く効かなくなってしまった。
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敵に囲まれた将軍は、前後左右を警戒しながら突破口を探った。
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新しく購入した家具を部屋の真ん中に置き、前後左右からの見栄えを確認した。
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