闇色
やみいろ
名詞
標準
文例 · 用例
譬えて言ってみれば、魔術師の闇色の幕のようなものである。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
夜の闇色と感触がずしんと深まつてゐて、今はまるで海のやうだ。
— 原民喜 『魔のひととき』 青空文庫
夜が明けたように彼女の瞼が段々と大きく開き、闇色の瞼のぐるりへトゲのように睫毛をはねると、鋭くじっと彼女はわたしを見据え、わたしの心臓へはっと怪しい動悸の刻みを与えた瞬間「と申しますと?
— 豊島与志雄 『現代小説展望』 青空文庫
水には一片の塵芥も浮ばず、断崖には一茎の雑草すら生立ってはいないで、岩はまるで煉羊羹を切った様に滑かな闇色に打続き、その暗さが水に映じて、水も又|漆の様に黒いのです。
— 江戸川乱歩 『パノラマ島綺譚』 青空文庫