幻辞.com

浜荻

はまおぎ
名詞
1
標準
文例 · 用例
十「そうさ、いかに伊勢の浜荻だって、按摩の箱屋というのはなかろう。
泉鏡花 歌行燈 青空文庫
新しい材料はそれからそれへと殖えて来るので、浄瑠璃の作者もその取捨に苦しんだが、豊竹座ではお園六三郎と、かしくと、十右衛門と、その三つの事件を一つに組み合わせて、八重霞浪華浜荻という新浄瑠璃をその月の二十六日から興行することになった。
岡本綺堂 心中浪華の春雨 青空文庫
所変れば品変る、難波の芦は伊勢の浜荻だなどと、いまさら事新しゅう言うまでもないが、もとは同一根原のものであっても、地方により、時代によって、名称も違えばこれに関する伝説も変ってくる。
喜田貞吉 オシラ神に関する二三の臆説 青空文庫
宝永四年(1707)出版の『伊勢参宮按内記』巻之下には「浜荻(三津村の南の江にあり) 片葉の芦の常の芦にはかはりたる芦なり是を浜荻といへり此辺り田にすかれて今はすこしばかりの浜荻田間にのこれり」とある。
牧野富太郎 植物一日一題 青空文庫
宝永六年(1709)発行の貝原益軒の『大和本草』付録巻之一に「伊勢ノ浜荻ハ三津村ノ南ノ後ロニアリ片葉ノ芦ニシテ常ノ芦ニカハレリ」と記してある。
牧野富太郎 植物一日一題 青空文庫
『神都名勝誌』巻之五には「浜荻 天狗石の南壱町許、道の右にあり。
牧野富太郎 植物一日一題 青空文庫
四方に、石畳を築けり」と記しかつ片葉に描いた浜荻の図が出ている。
牧野富太郎 植物一日一題 青空文庫
而して、浜荻の芦地を存せむとて、僅に、数坪の所に、蘆荻を植ゑたり」とも述べてあるが、この末句の「植ゑたり」とは穏やかでなく、これはよろしく「残せり」とすべきであろう。
牧野富太郎 植物一日一題 青空文庫