山子
やまご
名詞
標準
文例 · 用例
中にはちょうど一本足の案山子に似たのもある。
— 寺田寅彦 『小さな出来事』 青空文庫
林檎畑の案山子は、樹の頂上からぴょこんと空中へ今正に飛び出した所だと云ったような剽軽な恰好をしている。
— 寺田寅彦 『札幌まで』 青空文庫
この映画に現われて来る登場人物のうちで誰が一番幸福な人間かと思って見ると、天晴れ衆人の嘲笑と愚弄の的になりながら死ぬまで騎士の夢をすてなかったドンキホーテと、その夢を信じて案山子の殿様に忠誠を捧げ尽すことの出来たサンチョと、この二人にまさるものはないような気もするのであった。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(2)』 青空文庫
一所に……ここで飲んでいたら、いくらか案山子になるだろう。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
この案山子になど追えるものか。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
小山田の、案山子に借りて来たのだものを。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
私が見ていたあたりへも、一|村雨颯とかかったから、歌も読まずに蓑をかりて、案山子の笠をさして来ました。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
「きものも、灰塚の森の中で、古案山子を剥いだでしゅ。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫