萌え出る
もえでる
動詞-一段動詞-自動詞
標準
to sprout
文例 · 用例
そのころになると、この北の海にも春らしい紫色の濛靄が沖に立ちこめ、日和山の桜の梢にも蕾らしいものが芽を吹き、頂上に登ると草餅を売る茶店もあって、銀子も朋輩と連れ立ち残雪の下から草の萌え出るその山へ登ることもあった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
」 七 桜の咲く五月ともなると、梅も桃も一時に咲き、嫩葉の萌え出る木々の梢や、草の蘇える黒土から、咽ぶような瘟気を発散し、寒さに怯えがちの銀子も、何となし脊丈が伸びるような歓びを感ずるのであった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
」七 桜の咲く五月ともなると、梅も桃も一時に咲き、嫩葉の萌え出る木々の梢や、草の蘇える黒土から、咽ぶような瘟気を発散し、寒さに怯えがちの銀子も、何となし脊丈が伸びるような歓びを感ずるのであった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
天下を挙て物質的文明の輸入に狂奔せしめ、すべての主観的思想は、旧きは混沌の中に長夜の眠を貪り、新らしきは春草未だ萌え出るに及ばずして、モーゼなきイスラヱル人は荒原の中にさすらひて、静に運命の一転するを俟てり。
— 北村透谷 『明治文学管見』 青空文庫
同じ雨の濕めつぽさでも春雨や蜂の巣つたふ屋根の漏 芭蕉には萌え出る生命の暗示を含むと同時に何處となく春の淋しさがにじんである。
— 寺田寅彦 『天文と俳句』 青空文庫
夏も更けて、その葉も殆んどもう黒みを含んで來たころに、うす鈍い黄色をふいて萌え出るこの土用芽はまことに見る目寂しいものである。
— 夏を愛する言葉 『樹木とその葉』 青空文庫
そして春陽四月、土くれのあちこちからあはただしく萌え出る魔法の芽。
— 原民喜 『小さな庭』 青空文庫
春のように、個々の樹の根から萌え出るものでないことを思い知らされ、直感する。
— 宮本百合子 『透き徹る秋』 青空文庫
作例 · 標準
冬の寒さに耐えてきた土手から、土筆がひょっこりと萌え出ているのを見つけた。
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温かな春の雨が、冬枯れの野原に新しい命を萌え出させる。
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厳しい岩の間から萌え出る一輪の花に、生命の逞しさを感じずにはいられない。
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