機変
きへん
名詞
標準
adapting oneself to the requirements of the moment
文例 · 用例
どんな弱い敵に向っても、どんな優秀な立場にあっても、天運というものが思わざる邪魔をしないとも限らない、そこに自分の力量をだけ信用してはいられない投機的な不思議があるとともに、そうした場合自分の力量が、どれほどしなやかに機変に応じうるかを見きわめたい誘惑は大きかった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
大内義弘亡滅の後は堺は細川の家領になったが、其の怜悧で、機変を能く伺うところの、冷酷|険峻の、飯綱使い魔法使いと恐れられた細川政元が、其の頼み切った家臣の安富元家を此処の南の荘の奉行にしたが、政元の威権と元家の名誉とを以てしても、何様もいざこざが有って治まらなかったのである。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
少年の感情の世界にひそかな駭きをもって女性というものが現れた刹那から、人生の伴侶としての女性を選択するまでには成育の機変転を経るわけである。
— 宮本百合子 『成長意慾としての恋愛』 青空文庫
畢竟世の事変は活物にて容易にその機変を前知すべからず。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
僕は心から苦難をきわめていた貴女の立場に御同情しますよ」「では、久我さんの言を借りれば――動機変転。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
ああ、世紀児法水――彼はあの告白悲劇に、滑稽な動機変転を用意していたのであろうか。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
この女が、姿の優美なのにも似あわない不敵者だということは、真昼中、奉行所の拷問倉までしのんで来たことだけで充分に分っていたが、まさか、こうまで機変に富んで巧妙に澄ましこんでいようとは、思いのほかだった。
— 吉川英治 『牢獄の花嫁』 青空文庫
――こう観じて来れば、一見、不利無謀にも似るこの陣所も、妙機変通のある山とも見えんか。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫
作例 · 標準
不測の事態にも、彼は持ち前の機変の才を発揮して、現場を即座に立て直した。
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「予定通りにいかないのが常だ、常に機変じて対応せよ」と、監督は選手に発破をかける。
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市場の急激な変化に対し、あえて従来の戦略を捨てて機変したことが功を奏した。
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彼の判断は常に機変に富んでおり、教科書通りの戦い方しかできない相手を翻弄する。
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