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萋々

萋々
名詞
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標準
文例 · 用例
……然れども思へ、――我と共に此一片の石に踞して深く/\思へ、昨日杖を此城頭に曳いて、鐘声を截せ来る千古一色の暮風に立ち、涙を萋々たる草裡に落したりし者、よくこの今日あるを予知せりしや否や。
石川啄木 葬列 青空文庫
コルトンの死骸の横っていた共同椅子の辺には、青草が知らず顔に萋々と伸びている。
松本泰 P丘の殺人事件 青空文庫
皆大いなる大理石の壇に雑草の萋々と茂れるのみ。
芥川龍之介 北京日記抄 青空文庫
四谷鮫ヶ|橋と赤坂離宮との間に甲武鉄道の線路を堺にして荒草萋々たる火避地がある。
一名 東京散策記 日和下駄 青空文庫
」およそ水村の風光初夏の時節に至って最佳なる所以のものは、依々たる楊柳と萋々たる蒹葭とのあるがためであろう。
永井荷風 向嶋 青空文庫
啻に河岸のみならず灌田のために穿った溝渠の中、または人家の園池にも蒹葭は萋々と繁茂していた。
永井荷風 向嶋 青空文庫
甲州惻は眺望もよく、其上|萋々とした急斜面の草原に、唐松の大木が三々又五々直立している風情は、美しい者の中に数えぬ訳にはいかぬ。
木暮理太郎 秩父の奥山 青空文庫
南の方の一段低い所には少許の残雪が萋々たる緑蕪の間に一脈の冬を蔵し、雪消の跡には白山小桜の紅葩があたりに華やかな色を添えている。
木暮理太郎 利根川水源地の山々 青空文庫