不治の病
ふじのやまい異読 ふちのやまい
名詞頻度ランク #32867 · 青空 0 例
標準
incurable illness
文例 · 用例
世にも稀有な鬼才をもちながら、不幸にして現代に認められることが出来ないで、あまつさへその若い生涯の殆んど全部を不治の病床生活に終つて寂しく夭死して仕舞つた無名の天才画家のことを考へると、私は胸に釘をうたれたやうな苦しい痛みをかんずる。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
金融界の乾の手輩としてN・R漁業権を背景として、政党と政党の対立に山師の貫祿を見せた彼も、内閣が更迭すると疑獄事件のうずのなかに、不治の病を発してしまった。
— 吉行エイスケ 『大阪万華鏡』 青空文庫
それは、第一には父の春田が当時不治の病気にかかっていた事である。
— 寺田寅彦 『亮の追憶』 青空文庫
しかし一方ではまた彼が不治の病気を自覚して死に所を求めていたに過ぎないのだと言い、あるいは一種の気違いの所業だとして簡単に解釈をつけ、そうしてこの所業の価値を安く踏もうとする人もあるであろう。
— 寺田寅彦 『時事雑感』 青空文庫
而して一旦別れ別れになつた私の最愛の女性が、その後曩の牢舎のくるしみから肺病といふ恐ろしい不治の病に罹つて、自暴自棄に身も霊も破りはてたのを見つけ出した時、私は飛んで行つて彼を救ひ出した。
— 東京景物詩改題に就て 『雪と花火余言』 青空文庫
それが不治の病になつたと聞いて、私はすぐに行きたいと思つた。
— 森林太郎 『長谷川辰之助』 青空文庫
これも不治の病になつた。
— 森林太郎 『長谷川辰之助』 青空文庫
自分が不治の病を得たのもこのころの事であった。
— 寺田寅彦 『花物語』 青空文庫