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遊冶

ゆうや
名詞
1
標準
文例 · 用例
酒を飲んでゐる平次と倉造が、茶わんの杯をさして、村境の茶屋に三味線の技に長けたひとりの貌麗しい酌女が現れてゆききの遊冶郎のあぶらをしぼつてゐるとのことであるから見参に赴かうではないかと誘つた。
牧野信一 水車小屋の日誌 青空文庫
外には厳格を装ひたる武士道の勇者も、内は言ひ甲斐なき遊冶郎にてありし。
北村透谷 粋を論じて「伽羅枕」に及ぶ 青空文庫
勇武の士気漸く衰へ、儒道は僅に一流の人心を抑へ、滔々たる遊蕩の気風世に流るゝに当つて、粋様なる文学上の理想世に出でたり、而して光明を遊廓内に放てり、武士も紳士も此粋様を仰ぎ尊みたり、遊冶社界の本尊仏として、色道修行者の最後の勝利として、此粋様に帰依する者甚だ多かりき。
北村透谷 粋を論じて「伽羅枕」に及ぶ 青空文庫
三枚橋辺にて高貴の内政たる異母姉に面したる時の感慨は女性らしき思想を一変して、あはれわれも女に生れ出たる上は、三千世界の遊冶郎を蕩かし尽さんとの大勇猛を起さしめたり。
北村透谷 「伽羅枕」及び「新葉末集」 青空文庫
一奇男児なる道也、其粉飾を脱し去れば、凡々たる遊冶郎。
北村透谷 「伽羅枕」及び「新葉末集」 青空文庫
「剣客の覚悟、士の用意と、遊冶郎の情死との間に、如何の差かある?
直木三十五 南国太平記 青空文庫
しかも漢詩漢文や和歌国文は士太夫の慰みであるが、小説戯曲の如きは町人遊冶郎の道楽であって、士人の風上にも置くまじきものと思われていた故、小説戯曲の作者は幇間遊芸人と同列に見られていた。
内田魯庵 二十五年間の文人の社会的地位の進歩 青空文庫
序だが、伯父は最初から正妻といふものを置かず、妾から妾を渡り歩くといふ放縦|遊冶の生活をつゞけてゐて、そしてその誰にも子供がなかつたので、お信さんの外にも、後嗣ぎの養子を別にして、他に二人も養女と名のつく者を持つてゐた。
加能作次郎 乳の匂ひ 青空文庫