過年
かねん
名詞
標準
文例 · 用例
過年、あの、家族主義と個人主義とが新聞で騒ぎましたね。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
また年二億円の損失は日本の世帯から見て非常に大きいとは言われないかもしれないが、それでも輸入超過年額の幾割かに当たり、国防費の何十プロセントにはなりうる。
— 寺田寅彦 『函館の大火について』 青空文庫
」「過年、水天宮様の縁日の晩でしたっけ、大通のごッた返す処をちっとばかり横町へ遠のいて明治座へ行こうという麺麭屋の物置の前に、常店で今でも出ていまさ、盲目の女の三味線を弾くのがあります。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
枕についても目をぱっちり、お雛様の番をして、すやすやと寐息に簪の花は動いても、飾った雛は鼠一疋がたりともさせないんでございますってね、過年もお雛様が皆で話をするッて、真面目に言いなすったことがある位、凝ってるんだから魂が入ってましょう。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
蘇臺竹枝より楊柳青青楊柳黄青黄變色過年光妾似柳絲易憔悴郎如柳絮太鎭狂みどりに萠えし川やなぎ春はむかしの夢なれば日をふるままにうつろひて秋は黄ばみぬ川やなぎ、われをよしなき葉となさば君や絮なす花ならめみだれはげしき君がためやつるるぞかし我がいのち。
— 佐藤春夫 『佐藤春夫詩集』 青空文庫
窓は楓枠に曇りガラス、暖炉壁には二人の女羊飼いが描かれて装飾されており、経過年月は途方もない。
— A Golden Argosy 『玉手箱』 青空文庫