馬簾
ばれん
名詞
標準
long strips of decorative paper or leather attached to a matoi
文例 · 用例
「立ん坊か」と云ったまま宗近君は駱駝の膝掛の馬簾をひねくり始めたが、やがて「いつまでも立ん坊か」と相手の顔は見ず、質問のように、独語のように、駱駝の膝掛に話しかけるように、立ん坊を繰り返した。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
けれども、纏屋次郎左衛門から、六十四組の町火消しに供給した的と謂はゞ言はるべき、形の上の要素を多く具へた、馬簾つき、白塗り多面体の印をつけた、新しい物を考へに置いてかゝる事だけは、控へねばならぬ。
— 折口信夫 『まといの話』 青空文庫
「武器短歌図考」を見ると、だし(竿頭の飾り)に切裂き・小馬簾をつけ、竿止めに菊綴ぢ風に見える梵天様の物をつけたのが円居で、蝉口に吹き流しをつけたのを馬印としてゐるが、事実は、そんなに簡単に片づく物ではなかつた様である。
— 折口信夫 『まといの話』 青空文庫
火消しの纏を馬簾といふ訣は、簾の字相応に四方へ垂れた吹き貫きの旗の手の様なものから出たと言ふが、此をばれんと言ふ事、東京ばかりではなく、大阪でもある事であるが、実は「竿止め」につけたばりんの、吹き貫きと融合を遂げた物と見るべきであらう。
— 折口信夫 『まといの話』 青空文庫
いかめしい鉄砲、纏、馬簾の陣立ては、ほとんど戦時に異ならなかった。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
同時に、このときを記念して、彼は、黒田家を象徴する軍旗と馬簾などを新たに制定した。
— 吉川英治 『黒田如水』 青空文庫
むらがりあう馬と馬、兵と兵とのあいだから、奔々と閃く川水は前方に見えるが、柿崎隊の大蕪菁の馬簾や、中軍の中之丸旗、毘沙門旗のいたずらに啾々と嘯くばかりで、いつまで経っても馬すすまず兵渉らず、ただ後から後からと来る兵馬がここに万余の影を重ねて、見るまに真っ黒な大集団を霧の中に肥らせてくるばかりだった。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫
どこの、どの幕囲のなかに、信玄その人が床几をすえているのか、旗じるしや馬簾だけを的に捜したのでは分らないほど、同じような幕営がいくつもあった。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫
作例 · 標準
お祭りの山車には、色鮮やかな馬簾(ばれん)が飾り付けられていた。
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纏(まとい)の先に付いているひらひらした飾りを馬簾と呼ぶ。
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火消しが持つ纏の馬簾が風になびき、勇壮な光景だった。
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