訳了
やくりょう
名詞
標準
文例 · 用例
俺が、教室でくだらないノートを作っている間に、山野はもう半分以上訳了していたハウプトマンの「織工」の出版書店を、見つけたかも知れない。
— 菊池寛 『無名作家の日記』 青空文庫
加藤弘之先生の直話に拠れば「自由」という訳字は、幕府の外国方英語通辞の頭をしていた森山多吉郎という人が案出したのが最初であるという事であるが、文久二年初版慶応三年正月再版訳了の「英和対訳辞書」(堀達三郎著)には、既に自由という訳字を用いている。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
自分はこの書(自我経)を訳了した時にはなんとなく仕事らしい仕事を片付けたような気がした。
— 辻潤 『自分だけの世界』 青空文庫
自分は十年も前に読み始めた本をやっと今頃になって訳了したのである。
— 辻潤 『自分だけの世界』 青空文庫
それにこの難解な書物を自分でよく訳了し得るかどうかということも頗る疑問であった。
— 辻潤 『自分だけの世界』 青空文庫
「ストリントベリイの最後の恋」は二三日に訳了せりと言ふ。
— 芥川龍之介 『学校友だち』 青空文庫
自らの身体で記した言葉であるはずなのに、訳了したしばらくのちにその文を読み直す自分は、どこか別の世界に迷子になったかのようでした。
— ALICE IN WONDERLAND 『アリスはふしぎの国で』 青空文庫
この『自然神学』は、その分量から言ってもそう短時間で訳了されるわけはないし、モンテーニュは父からこの書を示されるまでもなく、一五六五年以前からこの書の存在に注意を払っていたと信ぜられる根拠が、本章そのものの中にすらかくれている(次の頁のトゥルネブスに関する記述を見よ)。
— ESSAIS DE MONTAIGNE 『モンテーニュ随想録』 青空文庫