独りぼっち
ひとりぼっち
名詞
標準
文例 · 用例
八、九歳頃の彼はむしろ控え目で、あまり人好きのしない、独りぼっちの仲間外れの観があった。
— 寺田寅彦 『アインシュタイン』 青空文庫
腕白な遊戯などから遠ざかった独りぼっちの子供の内省的な傾向がここにも認められる。
— 寺田寅彦 『アインシュタイン』 青空文庫
独りぼっちで森の中に半日捨て置かれた恐怖の為らしい。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
主人がその代りに会合に加わって、「もう、何とか返事がありそうなものですが――」「そうです、ねえ」と、僕の妻は最終の責任を感じて、異境の空に独りぼっちの寂しさをおぼえた。
— 岩野泡鳴 『耽溺』 青空文庫
酔っている男、笑っている女、賑やかを通り越して騒々しい位であるが、そのなかで酒も飲まず、しかも独りぼっちの若い記者は唯ぼんやりと坐っているのである。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
兄さんは独りぼっちで書斎にばかり籠っているから、それでそういう僻んだ観察ばかりなさるんですよ」「じゃ例を挙げて見せようか」 兄の眼は急に光を放った。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
しかるに俺は、山野が手紙の中にあれほど軽蔑した「文学研究」を唯一の本領として、独りぼっちで、捨てられているのだ。
— 菊池寛 『無名作家の日記』 青空文庫
それについては君だが、僕たちは、君が京都で独りぼっちでいることに対し大いに同情をしている。
— 菊池寛 『無名作家の日記』 青空文庫