簒
簒
名詞
標準
文例 · 用例
大概は勇ましくまた殺伐な戦闘や簒奪の顛末であるが、それがただの歴史とはちがって、中にいろいろな対話が簡潔な含蓄のある筆で写されていたり、繊細な心理が素朴な態度でうがたれていたりするのをおもしろいと思った。
— 寺田寅彦 『春寒』 青空文庫
賽児の乱をなせるは明の永楽十八年二月にして、燕王の簒奪、建文の遜位と相関するあるにあらず、建文|猶死せずと雖、簒奪の事成って既に十八春秋を経たり。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
永楽|簒奪して功を成す、而も聡明剛毅、政を為す甚だ精、補佐また賢良多し。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
大王に朝廷を粛清するの誠意おわすとも、天下に嫡統を簒奪するの批議無きにあらじ。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
道衍の一生を考うるに、其の燕を幇けて簒を成さしめし所以のもの、栄名厚利の為にあらざるが如し。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
是の如きの論を為せるの後二十余年にして、一朝|簒奪の君に面し、其の天下に誥ぐるの詔を草せんことを逼らる。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
永楽帝既に崩じ、建文帝|猶在り、帝と史彬と客舎相遇い、老実貞良の忠臣の口より、簒国奪位の叔父の死を聞く。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
」 台の上の簒奪者は大いに懼れ、石乞・盂黶の二剣士に命じて、子路を討たしめた。
— 中島敦 『弟子』 青空文庫