巻層
けんそう
名詞
標準
文例 · 用例
だいたいこれは、気象学の法則にないことで、二万五千フィートの上空には巻層雲しかない。
— 天母峰 『人外魔境』 青空文庫
雲形、層、層積、巻層、巻積。
— 島崎藤村 『朝飯』 青空文庫
さては来るなと思って見ている中に、長大なる巻層雲の先駆は真綿を繰り出すようにどんどん東の方へ延びて行く。
— 木暮理太郎 『奥秩父の山旅日記』 青空文庫
空は真綿を引伸したような高い巻層雲に掩れているけれども、眺望は次第に開けて、さし添う日光と共に体も漸く汗ばんで来た。
— 木暮理太郎 『秋の鬼怒沼』 青空文庫
天候が一変するらしく、高い巻雲や巻層雲が少し空に靡いて、非常な速度で東北の方に動いていたが、此処から見られる程の山は、四方を取り巻く雲海の上に姿を露わしていた。
— 木暮理太郎 『木曾駒と甲斐駒』 青空文庫
天幕から出て空を仰ぐと、曇ってはいるが高い巻層雲だ、眺望は四方に開けていた。
— 木暮理太郎 『黒部川を遡る』 青空文庫
これが普通われわれの見受ける所の即ち雨雲に出来るハロであるが、稀には巻雲や巻層雲にハロが現れることがある。
— 中谷宇吉郎 『雪』 青空文庫
ところでそういう気温の低いところでは水滴は存在し得ないことは明かであるから、この巻雲あるいは巻層雲は氷晶であろうということが考えられるのである。
— 中谷宇吉郎 『雪』 青空文庫