空唾
からつば
名詞
標準
文例 · 用例
面は今にも破れぬべく紅に熱して、舌の乾くに堪へかねて連に空唾を吐きつつ、「遅かつたかね。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
しかも、泥だらけな法被を着た捕親が今朝の花川戸であったから、辰は、それこそ蜻蛉のように大きな眼玉をぱちくりさせて空唾を呑んだ。
— 霙橋辻斬夜話 『早耳三次捕物聞書』 青空文庫
ここまで申したら、何か非常な大事件だという事が旦那にものみ込めましたろう」 山木はグイと空唾をのみこんで、「はあ、するてえと、殺り居ったね」 踏絵は懸命な声で、「止せッてば、出鱈目をいうのは。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫