顔形
かおかたち
名詞
標準
文例 · 用例
前に逢った場合と同じように無帽で、同じような五、六歳くらいと思われる男の子を背負っているが、どうも男の顔形にははっきりした見覚えはないので、前に自分の逢ったのと同人であるかどうか、何しろ暗いのでよくは分からない。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(1)』 青空文庫
「ある僕の全く知らない人の年々に受取る年賀はがきの束を僕に貸してよこせば、それを詳しく調べた上で、その人の年恰好、顔形、歩き振り、衣服、食物の好みなどを当てて見せる」という。
— 寺田寅彦 『年賀状』 青空文庫
騎馬の男は、靄に包まれて、はっきりその顔形が見分けられなかった。
— 黒島伝治 『パルチザン・ウォルコフ』 青空文庫
紺に、瑠璃に、紅絞り、白に、水紅色、水浅葱、莟の数は分らねども、朝顔形の手水鉢を、朦朧と映したのである。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
…… ここに、朝顔形の瀬戸の手水鉢が有るんです。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 と真顔でいう、言葉つき、顔形、目の中をじっと見ながら、「そんな吝じゃアありませんや。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
その男は前の晩私が会った奴とそっくりでして、顔形も声も同じなんです。
— コナンドイル Arthur Conan Doyle 『株式仲買店々員』 青空文庫
背たけが思いきって低く、顔形も整ってはいないが、三十女らしく分別の備わった、きかん気らしい、垢ぬけのした人がそれに違いないと思った。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫