栃
とち
名詞
標準
文例 · 用例
ただ道は最も奥で、山は就中深いが、栃木峠から中の河内は越せそうである。
— 泉鏡花 『栃の実』 青空文庫
前棒の親仁が、「この一山の、見さっせえ、残らず栃の木の大木でゃ。
— 泉鏡花 『栃の実』 青空文庫
」 娘が塗盆に茶をのせて、「あの、栃の餅、あがりますか。
— 泉鏡花 『栃の実』 青空文庫
皆栃の実の餅の盆を控えていた。
— 泉鏡花 『栃の実』 青空文庫
栃の餅を包んで差寄せた。
— 泉鏡花 『栃の実』 青空文庫
終戦になって、何が何やら、ただへとへとに疲れて、誇張した言い方をするなら、ほとんど這うようにして栃木県の生家にたどりつき、それから三箇月間も、父母の膝下でただぼんやり癈人みたいな生活をして、そのうちに東京の、学生時代からの文学の友だちで、柳田という抜け目の無い、なかなかすばしこい人物が、「金はある。
— 太宰治 『女類』 青空文庫
嘉十は芝草の上に、せなかの荷物をどっかりおろして、栃と粟とのだんごを出して喰べはじめました。
— 宮沢賢治 『鹿踊りのはじまり』 青空文庫
そこで嘉十も、おしまいに栃の団子をとちの実のくらい残しました。
— 宮沢賢治 『鹿踊りのはじまり』 青空文庫