茄子色
なすびいろ
名詞
標準
文例 · 用例
汀から二間と隔たらない所、大きなタマナ樹の茂みの下、濃い茄子色の影の中で私は晝寢をしてゐたのである。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
汀から二間と隔たらない所、大きなタマナ樹の茂みの下、濃い茄子色の影の中で私は昼寝をしていたのである。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
ほんの少し、堤の上が明るんでいるなかで、茄子色の水の風だけは冷たかった。
— 林芙美子 『河沙魚』 青空文庫
月と云うものを始めて見たのですが……茄子色の空に、まんまるく大きい光ったものを見て、私は何だろうと思ったものですよ。
— 林芙美子 『梟の大旅行』 青空文庫
大きな赤い口で、歯は茄子色につやつやしていた。
— 長谷川時雨 『神田附木店』 青空文庫
「ちょっと、それを、収すな」 マンが、麻袋のなかに、煙管と、懐中ランプを入れようとすると、一段と背の高い、顎のしゃくった、茄子色の、角刈の男が、マンの右手をつかんだ。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫
」 蛙を見こんだ蛇のように、茄子色は舌なめずりしながら、ギョロリと、眼を光らす。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫
「さあ、出した、出した」 と、茄子色が、長い顎をしゃくる。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫