抜山
ばつざん
名詞
標準
文例 · 用例
裁縫は知らざるも、庖丁を学ばざるも、卿等が其美を以てすれば、天下にまた無き無上権を有して、抜山蓋世の英雄をすら、掌中に籠するならずや、百万の敵も恐るゝに足らず、恐るべきは一婦人といふならずや、そも/\何を苦しんでか、紅粉を措いてあくせくするぞ。
— 泉鏡花 『醜婦を呵す』 青空文庫
力抜山気被世 時不利 の詩をいつもよりしみじみとくり返してよんで居たら段々声が大きくなってしまったんで「それこそほんとうのじゃじゃだ」と云われたんでびっくりしてゆるんだ口元をたてなおすひまもなくつづけざまに笑われたんでやたらどなってしまった、あとで自分も吹き出すほど御かしい。
— 一九一三年(大正二年) 『日記』 青空文庫
その工事の壮大無比なるを聞き、抜山倒海とはこのことならんと思い、詩歌各一首を賦して所感を述ぶ。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
花顔柳腰の婦女子も或は羅刹夜叉となり、抜山蓋世の勇士も忽ち餓鬼畜生に変ずる。
— 谷崎潤一郎 『武州公秘話』 青空文庫