風に柳
かぜにやなぎ
表現副詞-と
標準
without making waves
文例 · 用例
輝く胡蝶の翼一尺、閃く風に柳を誘って、白い光も青澄むまで塵を払った表二階。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
ヤトナの儲けでどうにか食いつないでいるものの、そんな風に柳吉の使い方がはげしいので、だんだん問屋の借りも嵩んで来て、一年辛抱した挙句、店の権利の買手がついたのを倖い、思い切って店を閉めることにした。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
動揺に任せて震へる限り震へても壊れぬやうに、風に柳の具合であつたから、クルマが廻り出した時の小屋全体は恰も難破船のやうにゆらめき、身震ひをする猛獣のやうな胴震ひを挙げた。
— 牧野信一 『沼辺より』 青空文庫
姑蘇城外に聳え立つうてなの柳望み見て旅人われは涙をながす、そよ風に柳なびきて散りばふ花の散りのまがひに呉王も見えなく。
— その六 ――放翁絶句十三首和訳(つけたり、雑詩七首)―― 『放翁鑑賞』 青空文庫
金殿玉楼その影を緑波に流す処|春風に柳絮は雪と飛び黄葉は秋風に菲々として舞うさまを想見れば宛ら青貝の屏風七宝の古陶器を見る如き色彩の眩惑を覚ゆる。
— 一名 東京散策記 『日和下駄』 青空文庫
大金持ちの二代目三代目というと、風に柳のヒョロヒョロ型を連想するけれど、三菱財閥の総帥は、二十三貫のこの私が、圧倒されるような恰幅で、眉毛はピンと上がっていた。
— 野村胡堂 『胡堂百話』 青空文庫
自然、ふわつとして風に柳と受け流す流の、誰にもさう好かれぬ代り、誰にもさう嫌はれぬやうにといつた無個性、無特色を心がけ、それが年々歳々徹底して、晩年には「白湯」か「水」のやうに淡々とした存在になつてしまつたのかと思ふ。
— 大根か名優か 『中村梅玉論』 青空文庫
だから彼は生き延びるだけにでも、淡々とし、舞台の傍観者となつて、ふわりと風に柳のやうにしてゐなければならなかつた。
— 大根か名優か 『中村梅玉論』 青空文庫
作例 · 標準
彼は上司の小言を「風に柳」と受け流し、全く動じる様子も見せずに淡々と作業を続けた。
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「あの人、怒られてもいつも風に柳だよね。ある意味、すごく精神的に強いんだと思う」
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争い事を好まない彼女の性格は、まさに風に柳のように柔軟でしなやかだ。
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