なくす
なくす
動詞
語義は準備中です。この語は青空文庫の用例から収録した新着の見出しで、現在は読み・品詞・用例のみ確定しています。
文例 · 用例
いま私の心は涙をもてぬぐはれ閉ぢこめたる窓のほとりに力なくすすりなくああこのひとつのまづしき心はなにものの生命をもとめなにものの影をみつめて泣いてゐるのかただいちめんに酢えくされたる美しい世界のはてで遠く花見の憂鬱なる横笛のひびきをきく。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
いま私の心は涙でぬぐはれ閉ぢこめたる窓のほとりに力なくすすり泣くああこのひとつのまづしき心は なにものの生命をもとめなにものの影をみつめて泣いてゐるのかただいちめんに酢えくされたる美しい世界のはてで遠く花見の憂鬱なる横笛のひびきをきく。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
青い木の葉や新らしい土地のにほひが、たまらなくすきだ。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
何故か知らないが、おれはあの幼芽のねんばりした卷葉をみるのがたまらなくすきなのだ』ああ、なんといふ深刻な感傷であらう。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
ところで私はといへば、まもなくすれば行く手の空に吸はれて了ふのだといふふうな気持で、群集といふ伴奏附きで泳いでゐるやうなものなのである。
— 中原中也 『我が生活』 青空文庫
もう山を浸していた霧も、気温のために、方々から湯気のように蒸騰して、砂の息蒸の匂いが何処からともなくする、二合五勺に辿り着いた頃には、近くは勾玉状に光れる山中湖と、その湖畔の村落と、遠くは函根足柄を越えて、大磯平塚の海岸、江の島まで見えた。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
彼は、ほんとの酒好きが、酒に目をなくす以上に、菓子には参っていた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
そうおっしゃる男の人の声が、電話で聞くようなくすぐったいバスで、はっきり聞えたような気がして、私は恥ずかしさで、頬が焼けるみたいに熱くなった。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫