転げ出る
ころげでる
動詞
標準
文例 · 用例
彼はしかたなく俯向いて紐を結んでいると、雁がまた大きな足掻をして懐から転げ出るとともに、抜毛をばらばらと落しながら其のまま飛んで往った。
— 田中貢太郎 『雁』 青空文庫
客は聖像したの上座に坐つてゐた――それは肥つた背の低い男で、燃えきつて灰になつた煙草がぼろぼろ転げ出るのを指でおさへおさへ、ひつきりなしに唾を吐きちらしながら、短かい煙管をスパスパ吸ふのが、いかにも満足らしく、絶えず眼をにこにこさせてゐる。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 前篇』 青空文庫
」 ……往来に転げ出ると、思ひも寄らぬタクシーが通つてゐる。
— 牧野信一 『鱗雲』 青空文庫
「ところで、それからどうしたんです、叔母さん」「何時までもそうして居るわけに行かないから、お比奈さんと二人で押入の戸を蹴飛ばして転げ出ると、御近所の衆を起して兎も角も縄を解いてもらいました。
— 群盗 『銭形平次捕物控』 青空文庫
汁椀の中の蜻蛉、厠の窓から投込んだ西瓜、ひっくりかえった半※、その他あらゆる悪戯の数かずが毀れた玩具の転げ出るような具合に、ずらずらと記憶から跳びだして来たのだ。
— 山本周五郎 『評釈勘忍記』 青空文庫