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甲者

こうしゃ
名詞
1
標準
文例 · 用例
」と甲者は身を反らして頭を掉りぬ。
泉鏡花 義血侠血 青空文庫
甲者は重ねて感嘆の声を発して、「おもしろい!
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天も……なんとやらで、なんとかして漏らさず……ですな」 弁者はこの訛言をおかしがりて、「天網恢々疎にして漏らさずかい」 甲者は聞くより手を抗げて、「それそれ、恢々、恢々、へえ、恢々でした」 乗り合いの過半はこの恢々に笑えり。
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奪りましたのは水芸の滝の白糸という者の金で、桐田の門は通過もしませんっ」「はて、ねえ」と甲者は眉を動かして、弁者を凝視めたり、乙者は黙して考えぬ。
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そこで女が、そのとおりだと言えば、人殺しは出刃打ちじゃなくって、ほかにあるとなるのだ」 甲者は頬杖※きたりし面を外して、弁者の前に差し寄せつつ、「へえへえ、そうして女はなんと申しました」「ぜひおまえさんに逢いたいと言ったね」 思いも寄らぬ弁者の好謔は、大いに一場の笑いを博せり。
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この間に出刃打ちの弁護士は非常な苦心で、十分弁護の方法を考えておいて、いざ公判という日には、一番腕を揮って、ぜひとも出刃打ちを助けようと、手薬煉を引いているそうだから、これは裁判官もなかなか骨の折れる事件さ」 甲者は例の「なるほど」を言わずして、不平の色を作せり。
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弁護を引き受ける以上は、その者の罪を軽くするように尽力するのが弁護士の職分だ」 甲者はますます不平に堪えざりき。
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かく政治と学問と密着するときは、甲者の変勢にさいして常に乙者の動揺を生じ、その変いよいよはなはだしければその余波もまた、いよいよ劇なり。
福沢諭吉 学問の独立 青空文庫