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玩具箱

おもちゃばこ
名詞
1
標準
文例 · 用例
ワグナーの歌劇やハウプトマン、ズーデルマンなどの芝居などに親しんでいた当時の自分にはレビューというものは結局ただエキゾチックな玩具箱を引っくり返したようなものに過ぎなかった。
寺田寅彦 マーカス・ショーとレビュー式教育 青空文庫
――これ人形は、はい、玩具箱ウ引転返した中からばかり出るもんではねえで、其の、見事なに不思議は無いだが、心配するな木彫だ、と言はつしやる、……お前様が持つて来て、船の中へ置かしつたかな。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
子供の頃、私は怪談が好きで、おそろしさの余りめそめそ泣き出してもそれでもその怪談の本を手放さずに読みつづけて、ついには玩具箱から赤鬼のお面を取り出してそれをかぶって読みつづけた事があったけれど、あの時の気持と実に似ている。
太宰治 鉄面皮 青空文庫
赤井は先に立って、花遊小路の方へ折れて行き、「この小路の玩具箱みたいな感じが好きなんだ。
織田作之助 青春の逆説 青空文庫
さういふ彼の姿といふものは、いふならば玩具箱からときどき玩具を取出してたのしむ小兒の姿に似てゐたともいへよう。
島木健作 盲目 青空文庫
今でも玩具箱を引繰り返したように色彩の乱調な芝居を見るよりも、自分の気に入った画に対している方が遥かに心持が好い。
夏目漱石 思い出す事など 青空文庫
車のなかは、玩具箱のやうな色々な人形でごつちやになつてゐた。
大正六(一九一七)年 茶話 青空文庫
と或は急に、或は緩く叫ぶ声の窓の外面を飛過るとともに、響は雑然として起り、迸り出づる、群集は玩具箱を覆したる如く、場内の彼方より轟く鐸の音はこの響と混雑との中を貫きて奔注せり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫