利刃
りじん
名詞
標準
sharp sword
文例 · 用例
神は在る、円形の利刃に在る。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
公平に見たなら二葉亭の方が暴君で、細君の方は極めて柔順な奴隷であったろうが、夫婦の間が暴君と奴隷との関係では互に満足出来るはずがないから、あたかも利刃を揮って泥土を斬るに等しい何らの手答えのない葛藤を何年か続けた後に、二葉亭は終に力負け根負けがして草臥れてしまった。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
見ているうちに、かれの緻密このうえもなき明知は利刃のごとくにさえ渡って、犯行のあった土地が徳川宿老のご城下であるという点と、さながらその犯行が伊豆守の帰藩を待つようにして突発したというその二つの点に、ふと大きな疑問がわいてまいりましたものでしたから、右門は猪突にことばをかけました。
— 血染めの手形 『右門捕物帖』 青空文庫
市の公機関は腐敗漢に把握せられ、利刃を倒持して市民の胸に擬せらるゝに非ずや。
— 木下尚江 『自由の使徒・島田三郎』 青空文庫
やがて其歌ふを聞けば曰く天地|乾坤みな一呑や草の庵大千起滅す一塵の裡味ひ得たり渋茶一ぱい利刃一閃浮世を斬て真ッ二ツ活血流れよ未来万年 (白表女学雑誌) 嗚呼是れ健康なる思想の表彰として賀すべきの事なりや、抑も亦|喟然として歎ずべきの事なりや。
— 山路愛山 『凡神的唯心的傾向に就て』 青空文庫
教権的独断を切り裁く犀利なる利刃であり、人間的自己主宰のよき防衛ともなり、数学的合理性の根拠であり、小宇宙的人間を大宇宙的秩序にまで結びつける結紐ともなり、新たなる人間的形而上性への飛躍の翼ともなる一つの心的ひずみがこの純粋あるいは絶対の形容詞句の中に表現されているかのようである。
— 中井正一 『近代美の研究』 青空文庫
この女王様の第一の利刃は軽蔑です。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
好色で残忍でヨタで駄弁で、懦弱にさえ見える範覚ではあったが、その実「棒」の一手にかけては、鬼神をあざむく使い手で、金環金筋で堅固に作った、金剛杖の一薙ぎは、利刃よりも凄く鉄才棒よりも、恐ろしい力を持っているのであった。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
作例 · 標準
敵の放った矢を、彼は腰に差していた利刃で瞬時に叩き落とした。
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その名工が鍛え上げた利刃は、恐ろしいほどの切れ味を誇り「妖刀」とすら呼ばれていた。
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言葉は時として利刃のように人の心を深く傷つけることがあるので、使い方には気をつけねばならない。
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