疼き
うずき
名詞
標準
ache
文例 · 用例
弾丸のあたった腰は、火がついたように疼きほてついていた。
— 黒島伝治 『国境』 青空文庫
又ある時は、お祭りの人ごみに立ちまじって、赤いゆもじの裾を染め、オモチャの笛をあわれみ詰まらせ、神木の肌を神さびさせ、仁王様の腕の古疵を疼き痛ませ、御神鏡の光を朧にした上に、伏しおがむ人々の睫毛までも白々としばたたかせて、昔ながらの迷信をいよいよ薄黒く、つまらなく曇らせる。
— 夢野久作 『塵』 青空文庫
彼は世間から拒絶されて心身の髄に重苦しくてしかも薄痒い疼きが残るだけの性抜きに草臥れ果てたとき、彼は死を想い見るのだった。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
恰度忘れてゐた傷の痛みが俄かに疼き出して來る樣だ。
— 石川啄木 『硝子窓』 青空文庫
一ばん恐ろしいのは、この私の弛緩につけ込んで、私に私の中に秘んでいた骨身の女が疼き出したことでした。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
いくらよごれていても緊密に結ばれた男女の形には、若い身空の肉情に疼き入る何物かゞあるのでございましょう。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
盲ひ、ゆく恋のまぼろし――その底に疼きくるしむ肉の鋭き絶叫、はた、暗き曲の死の楽霊ぞ弾きも連れぬる。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
十 月銀魚はつらつゆびさきの刺|疼き眞實ひとりなり山あざやかに雪近し。
— 山村暮鳥 『聖三稜玻璃』 青空文庫
作例 · 標準
例句