応尤
おうゆう
名詞
標準
文例 · 用例
由来西鶴の武家物は観察が浅薄であり、要するに彼は武士というものに対する認識を欠いていたというのが従来の定評のようで、これも一応尤もな考え方であると思うが、しかしこれについて多少の疑いがないでもない。
— 寺田寅彦 『西鶴と科学』 青空文庫
うちへ帰つて、あいつの申し条を考へて見ると一応尤もの様でもある。
— 夏目金之助 『坊っちやん』 青空文庫
一応尤もな議論である。
— 石川啄木 『弓町より』 青空文庫
ローマが崩壊したのは有名な「何処へ行く」で私たちにも馴染なネロのような王が現れるほど暴虐と頽廃が支配したからだと西洋歴史で習ったから、今フランスは文化の頽廃で敗北したときくと、一応尤ものように思えるかもしれない。
— 宮本百合子 『今日の生活と文化の問題』 青空文庫
一応尤ものようだが、もし多数党であるということにだけ値うちがあるならば、戦時議会は、党というものさえ抹殺した満場一致議会であった。
— 宮本百合子 『婦人の一票』 青空文庫
○彼が最後に書いて居たいろいろなもの、一応尤も、だが、何だか尤でない、青く、変なところあって、面白し。
— 一九二八年(昭和三年) 『日記』 青空文庫
――この説は一応尤もである。
— 芥川龍之介 『小説の戯曲化』 青空文庫
考へれば、一応尤な話で博士自身其或雑誌に、右若沢瀉屋を除けて、外に踊りが出来る上に、自在な声で、跳ね廻り乍ら謡へる人はない、と言ふ様な事を書かれました。
— 折口信夫 『芝居に出た名残星月夜』 青空文庫