昨年末
さくねんまつ
名詞
標準
文例 · 用例
博士は昨年末、大学から年末賞与として百円を貰つた。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
既に一昨年末アッケルマンてふ学者が『ロメオとジュリエ』の「一の火は他の火を滅す」なる語は、英国に火傷した指を火を近づけて火毒を吸い出さしむる民俗あり、蝮に咬まれた処へその蝮の肉を傅けて治すような同感療法じゃ。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
これを無理に維持困難と詐称して他の社へ合祀せしめしも、村民承知せず、結党して郡衙に訴うること止まず、ついに昨年末県庁より復社を許可す。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
しかし、それでも有難いことに、とにもかくにもペンの方で動いてくれましたので、私もそのペン軸に取り縋り取り縋り、今日まで月日を押し送って来ましたが、最近……と云っても昨年末から、そのペンが一寸も動かなくなったのです。
— 夢野久作 『スランプ』 青空文庫
往時かつて『主権原論』と言える反訳書を公にし、一昨年に至りて『日本外交私議』を刊行し、昨年末に『予算論』と言える小冊子を出したるのみ。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
人民の貯蓄は、昨年末から、大干潮のように減少しつづけた。
— 宮本百合子 『私たちの建設』 青空文庫
〔一〕昨年末の作品発表禁止がとけそうな気配があるといって文芸春秋が小説を依頼した。
— 宮本百合子 『年譜』 青空文庫
民主的文学の分野には、昨年末から批評と創作の協力的前進の問題が起っており、勤労者の文学サークルの間にはリアリズムのみなおしの問題も起っている。
— 宮本百合子 『年譜』 青空文庫