鬼王
きおう
名詞
標準
文例 · 用例
又五郎は中村紫琴の遺子で、大阪では子役中の麒麟児と呼ばれ、鴈治郎ですらも彼に食われるとかいう噂であったが、初上りのせいか、曾我の対面の鬼王と鞘当の留女の二役だけで、格別の注意をひかなかった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
惟うに馬頭観音が明王観音両部に属し、あるいは温和あるいは大忿怒形を現わすは、半ばは馬が人を助くる善性、半ばはこれら馬鬼の悪性を取って建立された半菩薩半鬼王だからだろう。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
これは楞伽(ランカ、今のセイロン)の鬼王羅摩泥(ラーヴァナ)とて、身体極めて長大に十の頭ある怪物の妹なり。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
羅摩すなわち猴軍を先に立て、熊軍をこれに次がせて、新たに成った地峡を通り、楞伽城を攻め、勝敗多回なりしもついに敵を破って鬼王を誅し、私陀を取り戻し、故郷へ帰った。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
羅摩、軍に勝ちて楞伽を鬼王の弟に与え、ハヌマンをしてその島を守護せしめた。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
昔十頭鬼王の従弟アヒとマヒ、魔法を以て羅摩兄弟を執え、パノチに牲せんとした時、ハヌマンその祠に乱入してパノチを踏み潰し二人を救うた縁により、右様の厄年の人は断食してハヌマンに祷れば無難だ。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
ヘブリウの異伝には、アスモデウス身を隠してソロモン王の妃に通ぜしに、王その床辺に灰を撒布し、旦に鶏足ごとき跡を印せるを見て、鬼王の所為を認めたりという。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
その舞を演ずるに舞人しばしば食指で自分を指さす定めだが、ノンテオクはナライの色に迷うて身を忘れ、舞を始めて自ら指さすや否や、やにわに死んだが、その霊地に堕ちて夜叉となり、それから転生してランカ島の十頭鬼王となった(大正九年のこと別項「猴の話」)。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫