金貝
かながい
名詞
標準
文例 · 用例
わたしが若旦那に渡したのは確かに舞台で使う金貝張りに相違ないのですが、それがいつの間にか本身に変っていたので、こんな騒ぎが出来してしまったのです。
— 岡本綺堂 『勘平の死』 青空文庫
三津平 わたしも皆さんの顔をこしらえに来て、舞台の上のことも何やかやとお世話をしているので、衣裳や持物はみな一と通り調べましたが、五助さんの持って来た大小は金貝張りで、決して本身ではなかったのでございます。
— 岡本綺堂 『勘平の死』 青空文庫
勘平の刀は舞台で用いる金貝張りと思いのほか、鞘には本身の刀がはいっていたので、角太郎の切腹は芝居ではなかった。
— 勘平の死 『半七捕物帳』 青空文庫
弓と申しても楊弓ですが、五月、九月の結改の会には、わざわざ江戸へ出かけて行き、昨年などは、百五十本を的て金貝の目録を取ったということでございます」「なるほど。
— 猫眼の男 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
ころげおちた将の放れ駒には“三本|傘”の金貝を摺った鞍がおかれてあり、この鞍といい、また花曇子のよろい直垂衣や、おびていた鬼丸の太刀も、名越尾張守高家のものにちがいなかった。
— 新田帖 『私本太平記』 青空文庫