蘭虫
らんちゅう異読 ランチュウ
名詞
標準
ranchu
文例 · 用例
明日からは土塀の方の手が足らんちゅうから、あちらの手伝いに廻ったろかい』信徒二『そやそや。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
」「老先生は十日ばかりしたら帰る、それも能くは解らんちゅうて……」「そうか……」と校長は嘆息をしていたが、「また来る」と細川は突然富岡を出て、その足で直ぐ村長を訪うた。
— 国木田独歩 『富岡先生』 青空文庫
そして、粘土細工、積木細工、絵草紙、メンコ、びいどろのおはじき、花火、河豚の提灯、奥州斎川孫太郎虫、扇子、暦、らんちゅう、花緒、風鈴……さまざまな色彩とさまざまな形がアセチリン瓦斯やランプの光の中にごちゃごちゃと、しかし一種の秩序を保って並んでいる風景は、田舎で育ってきた私にはまるで夢の世界です。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
しかし、私がもう一度引きかえしてみたいといいだす前に、浜子はふたたび明るい方へ戻って行き、植木屋、風鈴、花緒、らんちゅう、暦、扇子、奥州斎川孫太郎虫、河豚の提灯、花火、びいどろのおはじき……いい母親だと思った。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
「出入って、博徒の仲間にはいったのか、女出入か、縄張りか」 それならまだしも浮浪者より気が利いていると思ったが、「闇屋の天婦羅屋イはいって食べたら、金が足らんちゅうて、袋叩きに会いましてん。
— 織田作之助 『世相』 青空文庫
クヤクヤ貴様は何じゃ、往来で大声放歌はならんちゅう位の事は心得て居るじゃろう。
— 正岡子規 『煩悶』 青空文庫
或る箱の葭簀の下では支那らんちゅうの目の醒めるようなのが魁偉な尾鰭を重々しく動かしていた。
— 宮本百合子 『高台寺』 青空文庫
「これはね、らんちゅうというんだよ。
— 林芙美子 『お父さん』 青空文庫
作例 · 標準
品評会で金賞をとることを目標に、専用の大きな水槽で水質やエサにこだわり抜き、毎日丹精込めて数年間育て上げた見事な肉瘤を持つ立派な蘭虫を、ついに出品する予定だ。
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近所の神社の夏祭りの縁日で子供と一緒に金魚すくいをやっていたら、普通の和金に混ざって、背びれがなく丸っこい体型をした珍しい小さな蘭虫が元気に泳いでいるのを偶然見つけた。
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田舎に住む金魚の愛好家である祖父の家の広い庭には、赤や白の更紗模様が美しい色鮮やかな蘭虫がゆったりと優雅にたくさん泳ぐ、コンクリートで作られた立派な飼育用の大きな水槽がある。
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